新年 あけまして おめでとうございます。
本年も いわて銀河プラザと anecco.を
よろしくお願い致します。
今年の 幕開けは、、、
東京・浅草で「鹿踊り」を 見ました
鹿踊りは 岩手を代表する 郷土芸能のひとつ。
派手さも 賑やかさもなく
あんなに動いているのに、静かに見える 。
魂を供養し、平和や豊作を 祈願する踊り なのですが、
何故か、私はこの鹿踊りが 好きで、
度々、見に行っているのです。
(鹿踊りは、前のブログもどうぞ→http://www.iwate-ginpla.net/anecco/2012/08/post-80.html)
前のブログにも 登場してくれた、小岩さん。
今回の 浅草で 披露してくれたのも、
小岩さん率いる「東京鹿踊」の皆さんです。
一関舞川地区に伝わる 「行山流舞川鹿子躍」の伝統は しっかりと守りつつ、
廃れずに、広くたくさんの人に理解いただけるよう
ワークショップを催したり、と、
東京で「鹿踊り」ファンを増やす活動をしています
今回の 浅草は 演舞&ワークショップ。
私が1番楽しみにしていたのは、
生着替え。 ムフフー
踊りを見たことは、何度もありますが、
その裏側まで見たことは 一度もありません。
今回は、装束を 身につけていく 過程を
見せて頂けるということで、
楽しさ いっぱい (小岩さんが脱ぐんじゃないかと下心満々)!で、
参加してきたわけです
全く脱がない小岩さんの元、ワークショップがスタートです
装束を ひとつひとつ、紹介しながら、
身につけていきます。
袴
中立(リーダー)は、別柄をはくそう
ササラは 1本の竹を割っている
背中に 2本背負って、地面に叩きつけながら 踊ります。
割と「向き」は 大事
左右か前後か、ササラをどう 撓らせたいかで、
差す向きが 違うのだそうです。
鹿頭
桐製。角は 本物の鹿角、ザイ(髪)は 馬の尻尾。
中もちょっと拝見。「えんつこ」と呼ぶらしい。
かぶるのではなく、頭にちょこんと乗せているので、かなり小さめ。
頭を支えるのは、1本の命綱「ミヤコ糸」
この紐を張っておかないと、重い鹿頭がぐらんぐらんと、大変なことに・・・・・・
顎を固定。
顔を覆う幕は、麻。
おかげで。夏でも(ちょっと)涼しいらしい。
太鼓は 馬皮を張っています
音はバァン!バァン!と高めに響く。(ドンドンではない)
太鼓を 腰の位置に しょえば
あっという間に、できあがり~
総重量は約15kg。これで、ジャンプするなど、激しく踊ります。
こうしてみると、獣や植物を身にまとい、
人間の姿を すっぽりと隠していたんだなーと 驚きました。
自然と一体化?仮の姿?、、、と、いろいろ考えるのですが、
宮澤賢治の 「鹿踊りのはじまり」を 思い出して、
そうとも 思えないのです。
「鹿踊りのはじまり」は、賢治の「物語」です。
鹿踊りの起源では、ありません。
おおざっぱに 内容を言うと、
自然の中、鹿が巡り踊るのを 覗き見た人間が、
あまりの美しさに 心を奪われ、
自分も 鹿になったような気がして、輪に入ろうとすると、
鹿たちは一斉に逃げ出して、人間が ぽつんと取り残される
と いう話です。
それが「鹿踊りのほんたうの精神」。
答えは各々で考えなさいと。と、賢治は言っています(たぶん)。
なので、勝手に考えますが、
鹿踊りの精神は、「自然を敬え」に 尽きると思うんですよね。
自然は豊かで 時に恐ろしく、人とは 交わることのないものと
初めて踊った祖先は、知っていたのでしょう。
そんなわけで、鹿踊りは 賑やかさがない 云々と 言いましたが、
人間の喜びや感情を 舞っていないからかも、しれません。
あるのは、自然への 畏敬の念だから。
東北は、寒さ厳しく、海は荒れ、自然災害に見舞われやすい地域です。
鹿踊りは、人々の気持ちを 波立たせることがなく、
静かに鎮めてくれるので、今もなお「郷土芸能」として愛されているのかもしれません。
そうそう、身につけている装束のうち、
足は「ゴムじ」でした
ゴム製のわらじ。動きやすくて疲れにくいんだそうで、
最近は、こちらが主流です。
昔はわらで作った「わらじ」だったそうです。
小岩さん、今回は「わらじ」で登場。
「これからは、自分でわらで編んで、踊ってみたい」
と、お話してくれました。
昔の人にできたのに、自分ができないと 悔しいからだって(笑)!
がんばって
東京鹿踊の皆様、お世話になりまして
ありがとうございました。
(はせっち★)